吉野の蛙飛び行事
古い仏教の形態を残すとされる奇祭「蛙(かえる)飛び行事」が毎年7日、
奈良県吉野町吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂であります。 大峰山をご開山され、修験道の開祖である役行者が産湯をつか使われたと伝えられる大和高田市奥田にある弁天池の清浄な蓮の華を、蔵王権現に供える「蓮華会(れんげえ)」法要で、
7日は弁天池の蓮の華を蔵王堂に運んでご本尊に献じ、
あわせて境内では「蛙飛び行事」が執り行われる。
蛙飛び行事とは、修験道を軽んじ鷲に断崖絶壁へとさらわれた男が、改心し後悔しているのを、
通りががりの高僧が男を蛙の姿に変えて救いだし、一山僧侶の読経の功徳によってもとの姿に戻した、
という伝説を行事にしたものである。
神仏を侮り、蛙になった男が読経の力で人間の姿に戻ったとの伝承を伴い、
かつて行者が験力(げんりょく)を競ったのが起こりとも考えられている。

蛙役は仁王門前の和菓子店主等が務める。
蛙が境内をピョンピョンとはねながら読経の力で人の姿になると参拝者から拍手が湧く。
蓮華会に先立ち、大和高田市奥田の捨篠池(すてしのいけ)では、
県無形民俗文化財の「奥田の蓮(はす)取り行事」がある。
ホラ貝を吹く行者ら5人乗りの舟が花を咲かせるハスに近付き、同乗の人たちが蓮華会に供えるハスを摘む。

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